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犬の育児放棄

子犬が産まれて喜んだのもつかの間、母犬が全く子犬に関心を示さずに育児放棄してしまう場合があります。その場合、飼い主である家族みんなで子犬の世話をしていかなければいけません。大変ですが子犬はあっという間に成長しますので頑張りましょう。

母犬が子犬に関心を示さない

育児放棄母犬が初産や飼い主に強く依存している場合は、出産をしても子犬に感心を示さない場合(左画像参照)があると、これまで何度も取り上げてきました。だからといって育児放棄と決め付けてしまうのはまだ早いです。このサイトのモデル犬のはなちゃんも、最初は子犬に全く関心を示さずに、病院から電話連絡のあった「初乳を飲ませている」の言葉が嘘ではないかと飼い主さんが疑ったくらいなのです。子犬の世話よりも飼い主に甘えるほうが先! だったのです。ですが後にはなちゃんは一心不乱に子犬の世話をし始めました。どうしてだったか覚えていますか? 飼い主さんがはなちゃんを無理矢理寝転ばせて子犬に母乳を飲ませたのです。そのことにより母性本能が芽生えてかいがいしく子犬の世話を始め、飼い主さんが子犬の世話をしていると、「うちの子をどうするの? 早く返してよ」とでも言いたげに飼い主さんに詰め寄ったほどです。まずはきっかけを作ってあげてください。それでもダメなら、母犬はまだオリモノが出ているでしょうから、子犬に少し塗って母犬の鼻先に子犬を持っていきましょう。きっとペロペロ舐めるはずです。これをきかっけに育児を始める母犬もいるので試してみましょう。ここまでやってもやはり子犬に感心を示さない母犬の場合は、この先人間が子犬の育児をする覚悟を決めて家族一丸となって世話をしていきます。

人工保育に必要な物

人工保育

母犬が育児放棄してしまった以上、飼い主が育児をするより他はありません。まず必要なものを揃えます。

・ 子犬用ミルク
・ 哺乳瓶(子犬の大きさに合わせて吸い口のサイズがあります)
・ ガーゼか柔らかい布(排泄の世話をするのに使います)
・ 保温するためのタオルやあればヒーターなど

母犬が育児放棄するしないに関わらず、飼い主さんが子犬に対して細心の注意を払わなければいけない時期があります。出産後24時間以内に飲む母乳を初乳といいますが、この初乳には免疫力があり、この初乳を飲むことにより病気などから身を守ることができます。母犬からの移行抗体がどれだけ効果が持続するかは、母犬の持っている交代の状態により変わってきます。母犬から抗体をもらい、免疫があるからといって油断はできません。出産直後から離乳の終わる3〜4週間の期間は特に子犬の健康管理に気を配りましょう。特に生後1週間から10日の間は子犬が最も命を落とす率が高く、子犬が命を落とす6〜7割がこの時期といわれています。生後1ヶ月を過ぎると自分で排泄も食事もできるようになりますので、活発さや排便の状態で健康状態を判断することができますので、ここまでくればほとんど安心できるでしょう。

保温

子犬は自分で体温調節ができるようになるまで3〜4週間かかります。それまでは本能的に暖かいものにくっつこうとしますので、母犬や兄弟犬とぴったり寄り添います。母犬が育児放棄してしまった場合や、兄弟犬の数が少ない場合は保温が必要です。夏場は必要ないかもしれませんが、秋の終わり頃や冬場は20度前後を保つように室内を保温しましょう。暑過ぎると子犬の体温が上がりすぎてしまいます。代謝が活発になって酸素消費が増えてしまい、出産直後の子犬や元気のない子犬にとっては温度変化についていけません。

人工哺乳

人工哺乳は、母犬が育児放棄したときだけではなく、母乳の出が悪いときに補助的な役割としても行います。また、母犬がなんらかの投薬を受けていて授乳させてはいけない場合なども人工哺乳しなくてはいけません。

ミルク

牛乳や人間用のミルクでは、成長の早い犬には向きません。きちんと犬用ミルクを用意しましょう。作ったミルクが濃すぎても下痢の原因になります。成犬の下痢と違い、子犬の下痢は2〜3日続いただけで成長が大きく遅れてしまいますので注意します。

哺乳瓶

大型犬だと人間用の哺乳瓶で代用できます。小型犬では犬猫用の哺乳瓶が市販されていますのでそれを用意しましょう。吸い口がクロスカットされているものや、自分で穴を空けるものがあります。自分であける場合はカッターなどを使わずに、内側から爪楊枝などであけましょう。完全に吸う力がない場合はカテーテルによる人工哺乳を行わなければいけません。口から胃までカテーテルを通しますが、詳しい方法は動物病院で指導を受けてください。

飲ませ方

飲ませる前に排便と排尿をさせます。ミルクは人肌にして、体が弱っているときや消化の悪いときはミルクを薄めに作ります。少量のブドウ糖をミルクに混ぜてもいいでしょう。子犬を手の平で包むように持ち、もう片方の手で水平より若干上に向かせて角度をつけて与えます。空気を飲ませることは避けましょう。嘔吐の原因になります。お腹がいっぱいになれば自分から口を離したり、咥えたまま眠ってしまいます。長く咥えて口を離しても必ずしも飲んでいるとは限りませんので、すっているときに哺乳瓶の中に空気が取り込まれているかを見て確認してください。

哺乳の目安

補助的な哺乳の場合はあくまでも母乳を優先させます。完全哺乳の場合は、大型犬で元気なら1日4〜5回、小型犬や元気のない子犬の場合は回数を多くします。

排泄

排泄普通は母犬が子犬の股間を舐めて排便や排尿を促します。子犬は自分で排泄ができませんので人工的に排泄をさせてあげなければいけません。

柔らかい布やガーゼを塗らして、軽くチョンチョンと突いてあげてください。
ごく少量の排尿が見られますので拭きとってあげましょう。排便も同じ要領で行います。

COLUMN 〜子犬たちの体重

体重データはなちゃんの5頭の子犬たちは小型犬で少しずつではありますが、順調に体重も増えてきています(左グラフ参照)。どうやら用意したミルクと哺乳瓶の出番はなさそうです。もったいないので、はなちゃんのフードに、ミルクを溶いたものを混ぜて与えることにしました。2日目で一度体重がおちましたが、その後は順調に20gほどずつ増えています。一番小さかった雄の子犬も小さいながらも順調に体重も増え、もしかしたらダメかもしれないと思っていたのに無事にボーダーラインを超え、生後1ヶ月を迎えることができました。